謎解き時空旅絵巻 〜両国編〜

ある休日の午後。両国の酒屋さんへ向かう道すがら、何気なくスマホを眺めていましたら、ふと目に留まったのが、「無料のなぞとき散歩 in 両国」という文字。

実は脱出ゲームや謎解きが大好きな店主。これまでもドラゴンクエストの世界観のものや、探偵もののリアル脱出に何度か挑戦してきました。

しかし今回見つけたのは「なぞとき散歩」。
ということは、街歩き型謎解き(そういうジャンルがあるかどうかは知りませんw)! 普段はほぼお店と家の行き来ばかりで一日の歩数はかなり少なめな店主なものですから、こういう機会がちょっとした運動にもなるんじゃないかと、早速「参加ボタン」をタップ。
しかもこれ、タイトルが粋なんです。『謎解き時空旅絵巻〜消えた浮世絵を追って〜』。
この響きだけですでに、街がちょっと違ったものに見えてきそうです。午後の予定が、静かに、しかし確実に方向転換しました。


スタート地点は、葛飾北斎ゆかりの「すみだ北斎美術館」。そこからは与えられた謎を解きつつ、国技館、旧安田庭園を経て、蔵前へ。時代が少しずつ溶け合い、令和の風景の片隅に、ふと江戸の息づかいが混じる。そんな錯覚に酔いしれながら歩を進めていきます。


最初の謎は、公園の看板。「津軽の太鼓」「南割下水」。
ふむふむ、これはまるで過去からのメッセージのようですな(読めない)。頭をひねりながら歩いていますと、途中に現れたのはサウナ「江戸遊」の看板。あ〜もう、ここで辞めてサウナ行っちゃうか!……そんな衝動をぐっと抑えて、謎解きを続行。


目的地のひとつ、旧安田庭園に足を踏み入れると、ふっと空気が変わりました。人影も少なく、緑の香りが深く沁みる。池のほとりでは亀たちが一方向をじっと見つめ、その先にある「何か」を確かめているよう。少し離れた場所ではサギが佇み、風が水面をなでていく。ついついポエムを詠みたくなってしまいましたよ。こういうのを「余白の時間」というのでしょうか。


順調に謎を解きつつ、蔵前橋の近くでちょっと休憩。冷たいビールを一口。冷房のきいた店内でキンキンに冷えたジョッキで飲むビールも最高ですが、自然の風の中ではまた格別の味わい。東京ってこんなに風が気持ちよかったんだなぁ……。

最後の謎は、蔵前駅前のカフェの看板。甘いトーストが人気の店らしく、「並んでるんですか?」と何度も聞かれながら行列の人々の間から首を伸ばしての挑戦。最終的にはヒントを頼りに何とかクリア!


無料の初級コースだからと余裕をかましていましたが、そこには想像以上の深みと工夫がありました。

さてさて、余韻もそこそこに帰ってきたよ令和!ということで本来の目的地――両国の小さな酒屋へ向かいましょう。扉を開けると、目に飛び込んでくるのは棚に並ぶレアなウイスキーたち。一歩足を踏み入れればここもまた異空間のようで、私の好きな風景のひとつでもあります。

本日の歩数は約一万歩。浅草での中・上級編もあるらしいので、ぜひ挑戦しに行きたいと思っています。帰りはやっぱりサウナで整えて、心身ともにリセット完了。

今日感じたのは――「行動すると、心も動く」というシンプルな真理。偶然から始まった、たった一歩が、世界を少しだけ広げてくれるんですね。


ぽとすでは引き続き、「ウイスキー&焼酎飲み比べ」をご用意してお待ちしております。

あ、「消えた浮世絵」はどうなったかって…? それはお店にいらしてからのお楽しみ!
今宵もお待ちしております。

ぽとす
宮下千恵

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