銀座の中心で時を刻む

(この文字盤は、実際に時計台に取り付けられているものと同じ大きさだそうです)

いつもご愛顧ありがとうございます。

先日、銀座にあるセイコーミュージアムを訪れました。
セイコーの創業 100 周年記念事業として作られたこの博物館は、「時と時計」に関する貴重な資料や標本、アンティーク時計や日時計、和時計、そして最新のデジタル時計にいたるまで、時計にまつわる展示と情報の宝庫です。
創業者・服部金太郎の生誕 160 周年を迎えた 2020 年、セイコー発祥の地である銀座に移されたそうです。

時代は効率化の一途を辿っていて、時計の役割も様変わりしてきたように思います。

時計を持ち歩くということでいえば、懐中時計からゼンマイ式の腕時計、太陽光で蓄電するデジタル腕時計になり、今では店主もご多分に漏れず、スマートフォンを時計代わりにしています。
家庭でも大きな柱時計やからくり仕掛けの鳩時計はなくなり、時を刻む秒針の音を聴くことも少なくなりました。
腕時計という小さな箱の中でゼンマイがほどけ、精巧につくられた歯車が正確に時を刻む。 その光景を想像しながら時計の歴史をさかのぼると、カチコチという秒針の音も心地よく、 異空間を訪れたかのような不思議な感覚に包まれます。

世界の中心で愛は叫ばないけど、銀座の中心で時を刻む素敵な博物館で、つかの間の時間旅行を満喫した店主なのでした。
今宵もみなさまと楽しい時を刻めたら嬉しく思います。

ぽとす
宮下 千恵